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遠いからこそ、よく見える
今、宇宙がマイブームになっているというgreenzの兼松くんに連れられて、ザ・ムーン(原題:SHADOW OF THE MOON)の試写を見にアスミック・エース社に行った。試写を見たからにはなんかブログに書けというので書いてみた。

映画を見ながら、次の企画のコンセプトについて、ずうっと考えていた。そこでこれはいけるかもと思ったのが「人類の自己認識の歴史」について。

ものごとの真実は、より遠く離れているからこそ見えることがある。
飛行機は一個の機械には違いないが、しかし何という分析の道具だろう!
この道具は私たちに、大地の真のすがたを発見させてくれる。
機の窓越しに人間を観察することで、宇宙的尺度で人間を測り、人間の歴史をさかのぼって読むこともできるのだ。

人間の土地 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
サン=テグジュペリは飛行機というテクノロジーの最大の成果は、人類が空から地上を見渡すことで初めて得ることができる視点にあると明言している。

この延長線上に、ことごとく宇宙飛行士が揃って口にする言葉がある。
最初の一日か二日は、みんなが自分の国を指さした。
3日目、4日目は、それぞれ自分の大陸を指さした。
5日目には、わたしたちの目の写っているのは
たったひとつの地球しか無いことがわかった。

スルタン・ビン・サルマン・アル=サウド(宇宙飛行士)
ザ・ムーンはアポロ計画の話なので、彼は出てこないけれど、宇宙飛行という体験で得られる視点を最も端的に捉えた言葉だと思う。ガンダムにおけるニュータイプの存在は、このあたりのメタファーを解りやすく表現したものだと個人的に解釈している。

そして20世紀の天才的建築家がそのことを、最も上手に一冊にまとめた。
この宇宙船について私がとりわけ面白く思うことのひとつは、これがちょうど自動車のように、機械的な乗り物であるということだ。
私たちは宇宙船地球号を統合的にデザインされた機械とは見てこなかったわけだが、これが調子よく動き続けてくれるためには、全体を理解し、総合的に保守点検をしていかねばならない。
宇宙船地球号に関してはとりわけ重要なことがある。それは取扱説明書がついていないということだ。

宇宙船地球号操縦マニュアル バックミンスター・フラー
この、自己認識のプロセスはなにもテクノロジーに起因したものだけではない。最近、ことごとく日本の文化を発見する人は必ず外国人であるということに興味深く思っていたけれども、文化の距離があるからこそ、よりクリアに見えるのだ。
滅んだ古い日本文明の在りし日の姿を偲ぶには、私たちは異邦人の証言に頼らねばならない。なぜなら、私たちの祖先があまりにも当然のこととして記述しなかったこと、いや記述以前に自覚すらしなかった自国の文明の特質が、文化人類学の定石通り、異邦人によって記録されているからである。文化人類学はある文化に特有なコードは、その文化に属する人間によっては意識されにくく、従って記録されにくいことを教えている。

幕末から明治初期に来日した欧米人は、当時の日本の文明が彼らのそれとはあまりにも異質なものであったために、おどろきの眼をもってその特質を記述せずにはおれなかった。しかも、これまた文化人類学の定石通り、彼らは異文化の発見を通じて、自分たちの属する西洋文明の特異性を自覚し、そのコードを相対化し反省することさえあった。

逝きし世の面影 渡辺京二
コンサルタントと広告代理店の唯一の存在価値は、この客観的視点にのみあると前々から思っていたが、このように鏡に自らを投影するかのように他者によって自己認識されることで、さまざまな問題が補正されていくものだと思いたい。
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