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白川静 漢字の世界観 松岡正剛(平凡社新書)
この本は、家に屋号をつけようと思っていて、漢字の勉強でもはじめるかあ、と思っていたところでたまたま青山ブックセンターで手に取った本だった。

白川静伝説は多方面からよくよく聞いてはいたけれど、読んでいくうちにこりゃあぁとんでもない人だということがよくわかってきた。端的に言っていいものかわからないけれど、つまり、白川静の発見というものは2000年近く語り継がれてきていまなお教科書でも説明されているような漢字の読み解き方の原理の根本をすっかり覆してしまう新説であり、それによって見えてくるものは、今日失われてしまった多くの記憶をよみがえらせる「時空の方舟」だというのである。その上で、東洋を如何にして理解し、活用するか、ということを問うていると僕は勝手に想像する。

しかし、それよりなにより、そもそも松岡正剛の本なんて、中身の一割くらいは理解できればマシな方なんだけれど、この本は三割くらいは理解できる感じがする。なんかはじめて松岡正剛の本が役に立ったなー、ということが驚きであり、彼自身相当襟を正して本気で入門書を書いたらしいことが、あとがきに書いてある。もっと詳しく言うと、松岡正剛という「最もよく解らない日本人の一人」(記号化に迎合する気のない一人)が、不特定多数に対するわかりやすさに対して向き合ったことがもうなんというか感動的ですらあるのだ。
これから本書で、白川静という清冽で深甚な、巨大で精緻な、比類のない知性がどのように「漢字の歴史」を解読し、制覇し、独自に再構築していったかということを、いくつかのステージに分けて私なりにお話したいと思います。

中略

私がなにかをできるとしたら、白川静というあまりに巨大な山岳や山脈のところどころに分け入って、多少の地図や立て札をつけてみるということだろうと思います。いささか口はばったいことですが、私自身はいつがこのような「白川山脈」に分け入って、そこにいくばくかの立て札を残してくる作業がまわってくるような気が、なんとなくしていたのです。
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白川静 漢字の世界観 松岡正剛(平凡社新書)
http://www.amazon.co.jp/白川静-漢字の世界観-平凡社新書-松岡-正剛/dp/4582854400
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