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「第三の波」The Third Wave アルビン・トフラー
過去11年間、僕が関わってきた主要な仕事には、常にこの本の影響があった。と、言っても言い過ぎではないだろう。エレファントデザインの西山浩平、当時慶応大学SFCの教授だった鈴木寛、そして竹村真一、多大に影響を受けてきた師達は、必ずこの本を携えていた。村井純からも、そしてSFCの設立にも、この本の影響を強く感じる。まさに聖書だ。そして、それぞれの解釈が、それぞれの弟子達によって空想生活になっていったり、フェイスやメディア寺子屋になっていったり、触れる地球になっていったり、センソリウムになっていったりしたのではないかと、今となっては思う。ほぼすべての仕事に気持ち悪いくらい共通する未来観が、ここに記述されている。

そういう存在があることは知っていたけれど、実際に読むことはいままでなかったが、実家の本棚から出てきたので、恐る恐る開いてみることにした。1980年に書かれた本だが、2008.09を経た今だからこそ、何倍も何倍もリアリティを感じる内容だ。

最初の20ページ読んだだけで既に感慨深いものがある。ここに書かれていることは、まさに自分の仕事そのものだ。僕は、この本に書かれている未来を、いろんな人を通じて形にすることをいままでずっとやってきた。それが実家の本棚においてあったなんて。そこに辿り着くまでにどれだけか回り道をしてきたようにも思えるし、いまだからこそ読むときなのかもしれない。

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第一章 明日への大闘争
いま、われわれの生活のなかに、これまでなかった文明が出現しようとしている。そして、そのことに気付かない人々が、あちこちでそれを阻止しようとしている。この新しい文明とともに、新しい家庭像が生まれ、仕事、恋愛、生活の実態が変化し、経済も新しくなり政治もまた新しいものとなる。なにより大きいのは、意識の変革が平行して起こることである。早くも無数の人々が、自分たちの生活を明日の生活リズムに合わせている。

その一方で、未来を怖がるがゆえに一生懸命過去へ逃避し、前向きの姿勢も示さず、ただいたずらに自分たちが生を受けた時代の、すでに死にかけている世界を懸命に守ろうとしている人々もいる。

とりわけ重要なことは、後述するように、産業革命によって分離を余儀なくされた生産者と消費者をふたたび融合させ、「生産=消費者」(プロシューマー)とでも言うべき存在に支えられた、明日の経済をつくりだすことである。こうした理由からだけでも、新しい文明は、われわれが多少知的な努力さえすれば、歴史上はじめて人間性に溢れた文明になりうるはずである。

今日、二つの明らかに対照的な未来像が、一般の人々の想像力を拘束している。多くの人々は、われわれの知っている世界が際限なく続いていくと考えている。現状に安心しきっていて、少しでも未来のことをなど考えるのはめんどうだ、と思っている。自分たちがまったくいまとちがった暮らし方をするなどということは、想像することもできない。ましてや文明が全面的に新しい様相を呈することになるなど思ってもいない。もちろんかれらも、物事が変化しているのは認める。しかし、現在進行中の変化は、ともかく自分たちの傍らを通り過ぎていくだけで、慣れ親しんできた経済機構や政治体制は、微動だにしないと決め込んでいるのだ。未来は現在の延長線上にある、と信じて疑わないのである。

この直線的な思考は、さまざまな形態をとってあらわれる。けっして検証されることのない思いこみが、単純な段階では、ビジネスマンや教師、親、政治家などが決定をくだす際の前提となっている。もう少し高度の段階では、こうした考え方が統計とかコンピューターのはじきだすデータ、未来学者の専門用語などですっかり粉飾されて、世の中をまかり通る。いずれにせよ帰するところは、未来の社会も本質的には現在と大差ない、ということに尽きる。

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第二章 文明の構造「かくれたカリキュラム」
http://tamachan.jugem.jp/?eid=562

第三章 見えない楔「男女の役割の分離」
http://tamachan.jugem.jp/?eid=564
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