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西沢立衛の「豊島アートプロジェクト」


久々にAXISを買った。昔プロダクトデザインの業界に強烈に憧れを抱いていたころは毎号のように読んでいたけれど、「工業製品のデザイン」というものに可能性を感じなくなってきてからは、もう何年も買っていなかった気がする。今回はトップインタビューが中村勇吾さんだったり、記事の中には高松では大変有名なカフェ「umie」をプロデュースしたDNAの柳沢さんの記事もある。ちょっとづつ世の中の視線が変わってきているんだろうか。それでもまだまだ、いわゆる「デザイン系」の方々向けのミーハー色が強いのが、ちょっとひいてしまうが。

さて、本題は瀬戸内国際芸術祭のメイン会場の一つである、豊島(てしま)に建設されるという美術館のお話についてだ。正直、僕は(現在の日本の)建築という業界と建築家が嫌いだ。だけどしかし久しぶりに目に入った瀬戸内国際芸術祭絡みの、しかもきっと会期中ここを目指して来られる方達が非常に多いであろう、スポットであるためにご紹介しておこう。と思った次第だ。西沢立衛さんというのは、確かこれもまた大変ご高名な建築家である妹島和世さんのところにいらした方で、業界とメディアでは最近だいぶ注目されている建築家だったと記憶している。産業廃棄物問題で荒らされた島を舞台にどんなものをつくるのだろうか。

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西沢立衛の「豊島アートプロジェクト」
アートと建築に調和する、建築の概念を超えた建築

形のない水滴のイメージ

西沢立衛が建築家として参加する「豊島(てしま)アートプロジェクト」は、かなり特殊な形態の美術館である。メイン棟の建物の内部には、アーティストの内藤礼による1作品が永久展示されるのみ。この作品のために建築が設計され、この建築のために作品が制作される。建築家とアーティストがコミュニケーションしながら、建築と作品を統合させることが、豊島アートプロジェクトの主要なテーマとなっているのだ。

そして西沢にとってもう1つのテーマは、建築を周囲の自然と調和させることだ。美術館ができる豊島は瀬戸内海に浮かぶ島で、直島の東、高松の北に位置し、面積は直島より大きい。土地は起伏に富んでおり、緑が豊かで、美術館の周囲には田畑が広がっている。直線を用いた建築は、この環境と対立してしまうと西沢は考えた。

地形から発想したいくつかのスタディを経て、彼の頭に浮かんだのは、平らな面に不定形の水滴を置いたイメージだった。「水滴には、この形でなければいけないという形がない。柔らかく有機的な曲線は、作品にも環境にも合うと考えました。内部は、自然なカーブを描くワンルーム空間にすることで、作品との一体感が生まれると思います」と西沢。メイン棟は鉄筋コンクリートのシェル構造で、水滴の一端をつまんで引き延ばしたような部分が入口となる。上部には作品と呼応する大きな2カ所の入口をつくり、ここにはガラスなどを使わず、光や風が通り抜けるようにする。

内部は、柱も空間を仕切る壁もなく、周囲の壁と天井の境目もない2,040m2の大空間だ。天井高は約3.8m。ある意味で非建築的な、または彫刻的なオブジェが出現するようにも思える。

本当の建築に近づくには

「建築という概念を超えようと努力することで、美術と環境との調和が実現できると考えたのです。この空間を感じるには、建築という概念を必要としない。ある道路の魅力や美しさを感じるために、道路という概念が必要ないのと同じです。最近、こうして建築を超えようとする行為こそが、本当に建築的なものに近づく方法かもしれないと思うことがあります」と西沢は語る。

建築という概念は、新たな概念の出現によって進歩し、更新されてきた。それを建築の歴史とするなら、建築らしい建築をつくることは、建築の歴史には関係しないし、建築の概念にも関係しない。西沢が豊島アートプロジェクトによって取り組むのは、そんな考え方を背景とした、新しい建築概念の創出ともいえる。「これが建築かどうかということも、とりあえず忘れて設計している」とさえ彼は語る。

豊島アートプロジェクトは、直島福武美術館財団が直島を中心に行ってきた活動の一環であり、2010年7月から10月まで開催される瀬戸内国際芸術祭の会期中に、美術館の開館が予定されている。既存の建築の概念を超えた建築が姿を現すとき、そこを訪れる人々もまた、今までに体感したことのないものを感じるはずだ。(文/土田貴宏)

AXIS 2009年8月号 Vol.140 P.66
http://www.axisinc.co.jp/publishing/magazine/vol/140.html

瀬戸内国際芸術祭
| 瀬戸内な日々 | 17:44 | comments(1) | - |
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| - | 17:44 | - | - |
西沢立衛というキーワードで、過去24時間のアクセスが前日比二倍なのですが、そんなにみなさん建築にご興味があるのでしょうか。。。僕はやっぱり正直ひいてしまうのですが。うーん。
| tamachang | 2009/07/08 12:33 AM |