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ダカフェ日記と広松木工さん
前回のつづき。

突然やってきた福岡で、点と点が繋がった僕らは、翌日、当然の如く大川市に向かっていたのでした。博多の町から高速を使って車で一時間半ほど。



広松木工さんのショールームに入っていろいろと実物を見ながら家具のクオリティにひとつひとつ溜息をしつつも、なにより一番衝撃だったのは、この写真達だったわけです。大々的に大判に引き延ばしたダカフェ日記の写真が、これももちろん木で作られた専用のフォトフレームに飾られて、店内のあちこちに飾られていたこと。


説明をしてくれた店員さんによると、ダカフェ日記を書かれている森友治さんは、この広松木工の家具デザイナーさんの息子さんなのだそうな。自分自身のなにげない日常の生活を見せて、お父さんがやっている家具をさりげなく写真にとっていて、それが結果的には広報に役立っているっていう家内制手工業っぷりになにより驚いたのでした。広告代理店とかそういう野暮ったいものが入っておらず、自然な関係性で、とても未来だと思った。そしてなによりダカフェ日記のファンが、ここにこの手作り家具を買い求めに来るわけで。




それからダカフェ日記を眺めていて、もう一つ気がついたこと。このサイトの一日7万PVっていうのは、エッジが尖ってたらとても到達できない世界だっていうことだ。ブログを見ている人って、みんな、自分の生活に近いけれど、ちょっと背伸びすれば実現できそうなことには、とても共感するんだ。




そんなわけで、当初気になっていた大川コンセルヴのことはすっかり忘れて、この広松木工さんの本店ショールームをひとつひとつ眺めているときに、ふらりとやってきたのがこの広松木工さんの社長、廣松嘉明さん。なんだか楽しげなおっちゃんだ。廣松さんが、大川市のこと、物作りのこと、原材料としての広葉樹について語ってくれた。

-- 以下、廣松さん談

うちは本当に自分が使いたくて作っているものだけなんだ。だから良い物ができるし、売れるんじゃないかなあ。大川市としては日本一の家具の街って言われているけれど、何が日本一って出荷額なんじゃないかなあ。中国とか外から来た家具が大川で陸揚げされて一旦倉庫に入る。そっから先の物流システムが完全に出来上がっているから日本中に届けやすいんだ。だから、うちみたいにエンドユーザーのことをきちんと考えてものをつくってるところって、他にはあまりないんじゃないかな。

大川全体で、どんどん売り上げが下がって行っている中で、うちだけは前と変わってないんだけど、うちだけ売れてもねぇ。職人は15人。30代も多い。



- ちょっと変わった家具も多いですね

年に一回社員のコンペをしていて、ネームを出して売っている。園さんだからSONOっていうシリーズ名だったり。


- そういえば家具って原材料は杉や檜のような針葉樹ではなくて広葉樹なんですね

ナラで材料として使えるようになるまでに200年かかる。針葉樹の倍。広葉樹はとっても時間がかかるんだ。だから国産の広葉樹で家具作りをしてるとこは国内にはどこもないんじゃない?

あのカラフルな引き出しの表面に使っているのは全部外国産の広葉樹なんだけれど、ウォールナットはアメリカ、チーク材はミャンマー、メープルはカナダ、オーク材はロシア、黒いのはアフリカから来ている。国産の広葉樹は北海道でちょっとだけあるらしいけれど、ほとんど外国産だね。そういえば大航海時代が生まれたのはチーク材がとれるようになったからなんだって言われているくらい頑丈で堅い木なんだ。だから同じ椅子をつくるにしてもチーク材だと価格は三倍くらいする。最近はだいたい高級ヨット材に流れてしまうけどね。



- 日本では広葉樹を切ってしまうと、資源が枯渇してしまって回せていけないのに、なんで海外だとそれができるんでしょうか?

アメリカだとそもそも広葉樹の生えている面積が大きいから、全体の3%だけ切って売っているんだけども、3%でも立派にビジネスになるんだよね。200年周期でやっていける。

このテーブルの年輪見てみてよほら、ザイールから来た樹齢900年の一枚板を天板にしているんだけれど、一応定価で150万円で売っています。



- そういえばこの丸いものはなんですか?

廃材がもったいないからいろいろつくってるんだけれど、おもちゃをつくっててね。100グラム1,000円で量り売りしてるんだ。この丸いやつは削っていくと必ず楕円になるんだよね。柔らかい部分と堅い部分があるからなんだけれど。



木の丸いのは全部アフリカの植林プロジェクトに寄付していたり、更にそこから出てくるおがこを粘土にしたんだけど、これも東京の鉛筆屋さんと共同開発した。ケニアのワンガリ・ マータイさんがMOTTAINAIとか言ってるでしょう?だから僕なりにもなにかできるかと思って。

- 日本の国産材で家具を作ってみないんですか?

そうだねぇ。産地の方までなかなか見れてないのが現状。気にはなってるんだけどね。

-- 廣松さん終わり

九州恐るべし。

文脈があると、不思議と自然に出会う。仕事だって、友達だって、恋人だって、たぶん、自分という人間の生きていく筋道に、必ず文脈に沿って存在している。その文脈っていうのは、だいたい自分自身の欲望や、主観的なものの見方とは違うところからやってきたりする。

自分の仕事や、やるべきこと。自分の使命やミッションや。自分にしかできないことが必ずあるんだけれど、それを遂行するための手助けみたいな感じで、それらはやって来ることが多い。文脈を追っていくと、ミッションそのものが変わってしまうことも多々あるんだけれど、それはそれでかまわない。

そうやって、文脈を繋いでいって、次が出てきた瞬間が嬉しくてたまらない。次にいかなきゃいけない場所とか、仕事とかって、自分ではわからないんだけれど、だいたい決まっている。別れが多かったり、仕事がなかったりするのは、そのための準備であったりするのだ。

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廣松嘉明さん 九州人からのこだわりアドバイス
http://www.saibugas.co.jp/product/teinei/life/ecostyle06.htm

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