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農地改革と、八郎さんのメダカ米


今年の初めからお手伝いさせていただいている、岡山県の西粟倉村で、また新しい企画が始まった。「メダカ米」というこの福島八郎さんという地元のおじいちゃんが育てた米を販売するということなのだけど、八郎さんによると合鴨農法もやったし、なるべく農薬を使わないところでいろいろと試してきたけれど、結局行き着いたのはメダカだったという。田んぼの中を泳ぐメダカ達が死なない程度に除草剤もつかっているのだそうだけれど、除草剤を使いすぎるとメダカの動きが鈍くなってきたりして解るんだそうです。メダカが生きていられる環境でつくった米ならば、人間の体にも悪いものではないはずという。詳しくはメダカ米のページを見てください。


http://www.nishihour.jp/medakamai/

食べ物の、来し方、行く末。

僕は、マクロビオティックだとかビーガンだとかいうものは、あまり好きではなくて、割と気にせず外食とかする方だけれど、仕事上の関係というかなんというか、食べ物のつくられている裏側と、本当に良いものをつくり、お届けしようとしている人の話を聞くことが多い。

100万人のキャンドルナイトでもうかれこれ8年近くお世話になってきた、大地を守る会の藤田さんからは、その活動の原点になった全共闘運動の話や、戦後、頭にかけられたDDT散布の話や、先進諸国より30年先を行っているというキューバでの有機農業の話を聞いた。[ 藤田和芳「日本のスローフードの先駆者」]

種屋さんの野口勲さんからは、現在の工業化された農業では、1929年に発見されたカリフォルニア赤玉葱の雄性不稔個体(つまり無精子の玉葱)をベースに開発された、流通と消費に都合の良い品種の種を使っていることで一見、経済的な整合性がとれているように見えるけども。それを続けてきた結果、玉葱の中にある無精子であるミトコンドリア異常が蓄積されていって、2007年になって遂に、その玉葱を受粉させているミツバチの雄蜂の無精子症によって、女王蜂が卵を産めなくなり、巣を見限って大量逃亡し始めたのではないか。という仮説に基づく話をお聞きした。 [ 野口勲「地球の担保『種子』を守る」]

農協ってなんなの?

そんなこんなで、最近うっすらと、日本の農業っていうのは第二次世界大戦の後に大きな変化があったり、いろいろと問題として取り沙汰されていることの大半は、この頃に原因があることが多いなぁと思っている。日本が戦争に負けて、その結果なにが起きたのか。それから、要所要所で出てくる「農業協同組合」という組織の存在。農薬を農家に売ることが、農協の最も大きな収入源だとか、最近では介護保険まで始めて、揺りかごから墓場までとか言われたり。そんな農協が設立された背景について、今回「八郎さんのメダカ米」を始められたプロデューサーの牧大介さんに聞いてみた。

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date & place:2010.09.08
新丸ビル1階のカフェにて

日本では、1947年に農地改革があった。それまでは、地主って単に地主として儲けてるんじゃなくて、今の農協が担っていた機能を地主が担っていたり、農地改革によって自由経済を日本に洗脳していく一環として農地改革があった。「平等」とか「自由」っていうことを過剰に与えたり、日本がもともと持っている組織的な力を解放するということについて、アメリカが相当介入している。酪農が広がったのも、なんでか日本中「給食にパンと牛乳を食する」というのをアメリカが押しつけてきて、酪農で必要な飼料がアメリカから入ってくるから、文化をつくれば市場が出来るっていう。

植民地支配っていうのはヨーロッパに圧倒的にノウハウがある。

人類学っていうのも植民地支配のために発達した技術だし。ブッシュがイラク戦争のときに「日本では上手くいったのに」っていうことを言ったけどイラクでは上手くいかなかった。いろんな仕組みを見えないところに入れていて。「乳脂肪分が3.5%以上っていうのが農協の引き取り条件」になるように、アメリカが仕組んだっていうのがあって、乳脂肪分3.5%以上にするには乳牛の体調にはよくないんだけれど、アメリカから大量に飼料を受け入れなければいけなくなった。

日本人の価値観とか社会構造を丁寧に丁寧に分析して、アメリカの都合のいいように手を打った。

戦争が終わったあとの一番重要なことが「日本ていう国がふたたび脅威にならないようにする」ってことだったけど、その次に「アメリカの商品をたくさん買ってくれる国にする」っていうことだった。たぶんその頃のアメリカっていうのが生産が余りすぎていて、輸出する先を開拓していかなきゃいけないっていう状況だったんじゃないだろうか。っていうのは憶測だけれど。

財閥も解体されたし、財閥を解体するのと同じ感覚で地域を解体した。

かつては、集落単位での地域経営っていうのができるだけの自立性があった。

今は、地域が地域を経営するための機能がなくて、全部役場がやっている。役人ていうのは自分たちのために仕事をする人だから、主体性が地域にない。役場がいろんな仕事を発注して雇用を生み出すんだけれど。役場は村民のためにあって、税金で役人を食わせていることが先に前提としてあるので、金を出す側がずっと文句を言い恫喝されながら仕事をくばるという特殊な関係にある。非常にゆがんだお金の流れ方がある。

江戸時代だと年貢を納めないといけないし、江戸時代の公務員である武士は、地域で年貢を納めていくためにがんばるし、あとは自分たちのためにってやらないと地域が良くはなっていかない。

戦争に負けて、自治を奪われ、自立心を失い、そしてアメリカの都合のいいような仕組みを埋め込まれた。それが日本の田舎の現実。それをどう乗り越えて行くか。メダカ米はそのための一歩だとまじめに考えています。

(この前段の話の後、メダカ米のミーティングに移った)

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日本の戦後は、まだまだ終わっていない。

なるほどなぁと。戦争に負けるっていうのはそういうことなのかと改めて実感する。沖縄の基地の問題は、距離的に遠いからいまいち実感できないけれど、日常普段食べている食べ物にまで敗戦の影響が残っている、残っているどころが問題が肥大化、複雑化しすぎていて、とても常人には理解の及ばないところまできている。

去年、さかんに話していたけれど、日本の戦後はまだまだ終わっていないのである。それは、農業や食の問題に限らず今の社会を構成する、ほんとにいろんなことについて言えると思うんだけれど、それについてはまた別の機会に書きます。

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日本の田舎の問題はきちんと資本主義が定着していないことだ。|makilog
http://daisukemaki.jugem.jp/?eid=1

農地改革|Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/農地改革

乳脂肪分が高いのがおいしい牛乳という幻想?
http://travel-lab.info/tech/pblog/article.php?id=57
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