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Googleが脳に変わる日
ライブドアの子会社が証券取引法違反の疑いで家宅捜索を受け、放送と通信絡みの下克上の中で、新たな江副浩正が生まれ、21世紀のマクシミリアン・ロベスピエールは断頭台への一歩を踏み出したその日、アエラには以下のような記事が出ていた。とても面白い内容の記事だと思ったが、これをブログに「コピー」したら、はたして編集部や出版社から「著作権法違反」という名目のクレームが来るのかどうか試してみたくなったので、載せてみることにした。しかしそのようなことが起こったとしても甚だ滑稽なことだと思うが。

※一部打ち込むのが面倒なので抜粋とすることにする。全文に興味のある方は「アエラ 2006.01.23号」を購入するといい。たかだか定価360円程度なのだから。



●Googleが脳に変わる日
検索機能の脳移植などもちろんフィクションであり、冗談だ。しかし空想を現実にしかねない勢いが今この会社にはある。

●グーグルとアマゾンが合併したら?
「グーグルゾン」グーグルとアマゾンが合併した架空企業で、米国のIT研究家が制作した動画「EPIC 2014」に登場する。グーグルゾンは過去に人々がネット上で「何を買ったか」「どのニュースを読んだか」「どんなメールを出したか」「何を検索したか」という膨大な履歴をもとに、個別にカスタマイズしたニュースや広告などを配信する。個人のネット上での「過去の行動」をもとに「あなたの欲しい情報はこれ」と差し出してくれるわけだ。たとえばあなたが東京・湾岸部でマンションを買おうとして、ネットで「マンション」「シーサイド」などの言葉を検索していたとする。すると、グーグルゾンが「マンション市場、バブル期以来の活況」というニュースや、「海を望む優良物件情報」を自動的に届けてくれることになる。検索会社トップと、オンラインショッピングトップが手を組むと、こんなビジネスに発展し、従来のメディアはネット上から撤退せざるを得ないという未来図に衝撃が走った。

●「ウェブ進化論」(筑摩書房)を出す、シリコンバレー在住のコンサルタント、梅田望夫
「EPICに出てくる展望は、すべて現在の技術ベースの延長線上での想定。みんながPCを手に入れ、ブロードバンドが実現したこれからの10年の激変は、いままでの10年とは比較にならない」グーグルの可能性は「ネット史どころか、世界史の突然変異」と評する。

●最近グーグルは世界中の空に百近くの飛行機を飛ばしている
05年6月に始めた地図ソフト「グーグル・アース」用に、精密な航空写真を撮るためだ。地球を上空から撮影した「デジタル鳥瞰写真」を提供するサービスで、2次元だけではなく、米国の主要都市では3次元表示も可能だ。そして現在、着々と世界レベルでの3次元表示の作業が進む。グーグル・アースの衛星写真は地上60センチ四方の物体まで映し出す。航空写真になると15センチ四方にまで向上。丸く青い地球の映像からズームアップして、公園の人間まではっきりわかる。「これからの子どもたちは、グーグル・アースで地球が丸いことを知ると思うと、ちょっと感動しないかい?」

●プリントライブラリーというプロジェクトも、全米の人々の度肝を抜いた
世界中の図書館の本をデータベース化し、文中にある単語や文章で検索できるサービスである。その数、軽く見積もって数千万冊。すでにハーバード大学図書館、ニューヨーク公立図書館などで一部図書の読み込み作業を始めた。このサービスは米国出版社協会などから著作権法違反で提訴されたが、CEOのシュミットは当然のように話す。「グーグルの仕事は、ユーザーが望むことをなんでも実現すること。地球上のすべての情報を体系化、インデックス化することです」

●プライバシーの問題もある
Gメールで、グーグルは「消すな、保存して、検索しろ」と勧める。個人の検索記録、アクセス履歴、IPアドレスも次々とログファイルとしてたまる一方だ。ネット社会の法的問題に取り組む非営利団体、エレクトロニック・フロンティア財団(EFF)の弁護士、ケビン・バンクすとんは警告する。「検索記録は、私たち一人ひとりの願いや祈り、恐れ、正直な自分、やましい自分……そんなすべてを映す、いわば自分の思考や感情の詳細なコピーといっていい。これが第三者の手に保存され、法律的に守られていない」だが意外だったのは、取材で会ったアメリカ人たちが、それほどこれらの問題を懸念していないことだった。彼らは自ら望む利便性のためなら、ある程度犠牲を払ってもいいと感じ始めていた。「EPIC2014/2015」を制作したメディア研究家のロビン・スローンもどこか愛憎半ばという感じで話す。「グーグルの検索はなにしろ圧倒的に便利なのだから。それに、いまのところ善良な会社であり、節度のある一線を越えていない。偏向した瞬間、人は使わなくなる。ただ、やろうと思えば、グーグルはなどんな邪悪なこともできる潜在力を秘めている。だから、目を離してはいけない。彼らがインデックス化しようとしている世界は我々が住む地球なのだから」

「インターネットは民主主義の敵か」の著者、キャス・サンスティーンもこう語る。「グーグルは史上初めて『情報は大衆のもの』という革命を進めつつある。対策は簡単だ。グーグルのプライバシーの問題を危惧するひとは、使わなければいい。究極的に人類は、グーグルを使う人と使わない人に分かれていく。使わない人も、十分に人生を楽しめる。もちろんわたしは使いますがね」

●脳に代わる記憶装置
一つの流れは、「ザ・サーチ」の著者、ジョン・バッテルのこんな考え方だ。「グーグルは人間の頭のある部分に取って代わるでしょう。自分が覚える代わりに、ネット上に情報を載せておいて、検索する」人間が記憶の一部分をネットに代用させ、必要なときにネットから知識を取り出すというわけだ。ニューヨーク・タイムズ紙が05年10月に「Google2084」という漫画を載せた。一番上にグーグルのサーチバーがあり、その下に検索対象として「Books」「Movies」などと並列で「YourBrain」というボタンがある。自分の「頭の中を検索」という時代が、そこまで来ている。さらに二つ目は、ネットに記憶を代行させると、他人と「頭の中」を共有できるということだ。01年1月に生まれた「ウィキペディア」が格好の例だろう。ネット上に生まれた無料で使える百科事典で、原則誰でも加筆修正ができるため、6年足らずで80万項目までに成長した。英語版のブリタニカ百科事典が6万5千だから、その10倍以上。現在、百を超える言語で利用可能である。人類が共同で、大きな記憶専用「脳」に知識を詰め込んでいる形だ。先の梅田はこの「脳」について「Wisdom of Crowds、すなわち『群衆の叡智』でしょうね。いま問われているのは、ネットの向こうにいる不特定多数無限大を心から信頼できるのか、人類はそんな社会を創る覚悟があるのか、ということです。不特定多数の参加イコール衆愚だと考えて思考停止に陥ると、これから起きる新しい事象を眺める目が曇ります」

ライブドア社長の堀江貴文がある講演でこんな予言をした。「未来ネット社会では、人類が多数対多数の相互コミュニケーションを取りすぎて、自分と他人の脳が混濁してしまう。これって、60億人集まれば文殊の知恵ということでもあるし、『これって、俺の考えだっけ、あいつの考えだっけ』という現象があちこちで起こる」英語に「muddle through」という言葉がある。泥の中を這いずりながら、前が見えなくても、何かいいことがあると確信しながらどうにかこうにか、前に向かって手足を動かす。「muddle through on Internet World」先人が築き上げた膨大な過去の知識が、あなたの前に広がる。世界中の人間の意識と意識が、距離と時間を超えて瞬時に繋がる。壮大な社会実験は、もう止まらない。


アエラ 2006.01.23号 アエラ編集部 石川雅彦 ジャーナリスト 平野日出木
EPIC2014 http://www.probe.jp/EPIC2014/
| 情報デザイン・メディアデザイン | 22:22 | comments(0) | trackbacks(0) |









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