tamalog

Output and input from 1998 to 2010
このウェブサイトは、2010年末で更新を終了し http://tamalog.me/ に移行しました。
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キャッチ&リリース
この一週間くらいで、さまざまなことがいっぺんにやってきて、止まっていたものが突然動き出した。変化の時はほんとうに突然やってくるものなのだなあと思う。

まずは、100万人のキャンドルナイトの実行委員とウェブサイトの担当をやめることを決意した。まさか自分たちで生み出したものをやめるときがくるなんて、先週までこれっぽっちも考えたことがなかった。ずっと、ずっと、続いていくものだと思っていた。それなりに環境広告キャンペーンの草分けとして知られるようにもなり、その程度で満足していたんじゃないか、ってふしもある。

ふと、気がついたら内部硬直のど真ん中で、硬直していることも忘れて凍結していた。抱え込んでしまって、にっちもさっちもいかなくなってしまっていた。2年目くらいで、やめようやめれる時期もあったのに、気がついたら5年続けてきてしまった。しかしそこで、自分が自分でなくなっていることに、やっと先週あたりに自覚するに至った。いままでいろんなものを辞めてきたけれど、今回は最も難しい。主体性がありすぎるばかりに人に仕事をふれない事態に陥っているわけだから。ほんとうに辞めるって難しい。

「僕らの仕事はね、新しいものをつくりだしていって、そしてそれときちんと誰かに引き継ぐことなんだよ」

そうだった。

手放すことで、自由になれるっていうことを知るまでに四年もかかってしまった。
そう、手放すっていう言葉がぴたりとあてはまる。

いろんなことがあった5年間。100万人のキャンドルナイトを続けていなければ、きっと出会うこともなかった人に大勢出会えて、そして今繋がっているネットワークの根幹になっていた。でも、これでやっと自分が自分であれるなと思う。
その時は分からなかったのですが、やがてアップルをクビになったことは自分の人生最良の出来事だったのだ、ということが分かってきました。成功者であることの重み、それがビギナーであることの軽さに代わった。そして、あらゆる物事に対して前ほど自信も持てなくなった代わりに、自由になれたことで私はまた一つ、自分の人生で最もクリエイティブな時代の絶頂期に足を踏み出すことができたんですね。
 それに続く5年のうちに私はNeXTという会社を始め、ピクサーという会社を作り、素晴らしい女性と恋に落ち、彼女は私の妻になりました。
 ピクサーはやがてコンピュータ・アニメーションによる世界初の映画「トイ・ストーリー」を創り、今では世界で最も成功しているアニメーション・スタジオです。
 思いがけない方向に物事が運び、NeXTはアップルが買収し、私はアップルに復帰。NeXTで開発した技術は現在アップルが進める企業再生努力の中心にあります。ロレーヌと私は一緒に素晴らしい家庭を築いてきました。

アップルをクビになっていなかったらこうした事は何ひとつ起こらなかった、私にはそう断言できます。そりゃひどい味の薬でしたよ。でも患者にはそれが必要なんだろうね。人生には時としてレンガで頭をぶん殴られるようなひどいことも起こるものなのです。だけど、信念を放り投げちゃいけない。私が挫けずにやってこれたのはただ一つ、自分のやっている仕事が好きだという、その気持ちがあったからです。皆さんも自分がやって好きなことを見つけなきゃいけない。それは仕事も恋愛も根本は同じで、君たちもこれから仕事が人生の大きなパートを占めていくだろうけど自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない。そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、好きなことを仕事にすることなんですね。まだ見つかってないなら探し続ければいい。落ち着いてしまっちゃ駄目です。心の問題と一緒でそういうのは見つかるとすぐピンとくるものだし、素晴らしい恋愛と同じで年を重ねるごとにどんどんどんどん良くなっていく。だから探し続けること。落ち着いてしまってはいけない。
あああー。まさに、そういうことです。落ち着いてしまっていた。
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いきものみっけ


http://www.env.go.jp/nature/mikke/

環境省が「地球温暖化」に続くターゲットとして「生物多様性」にアプローチするために策定された「第三次生物多様性国家戦略」に基づいて、サステナが入札し進めることになったプロジェクトがこの企画。いきものみっけ。このテイザーサイトが公開されていた。

されていた、っていうものこのプロジェクトにはほとんと一切合切関わっていないからぜんぜん知らない。今、とても忙しいというのもあるけれど。このプロジェクトのアートディレクターである福井信蔵さんには正直出会いたくはなかった。まだ彼の名前も知らない頃から、参考にしてきたサイトがことごとく福井信蔵デザインであることを知ったのは4年くらい前だったろうか。それ以来ずっと参考にしつづけてきた僕のデザインはどうにもこうにも彼のデザインとものすごく似てしまうのである。まあ参考にしてたってのももはや時効だなあと思いつつあるからそんなことが書けるわけだけど、しかしその本家本元ご本人がまさかサステナの仕事を一緒にやることになるとは思ってなかったから、どう振る舞っていいもんかまったくわからず、ただ呆然と見ているしかない、という感じだ。
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| - | 23:47 | comments(0) | - |
NHKスペシャル「沸騰都市」


ブルジュ・ドバイ。現在まだ建設中のこの塔は世界一の高さを目指すべく建てられているという。現在高さ650mまで達しており、2009年の完成時点での高さは公表されていない。

ここ数年、NHKスペシャルになかなかこれといったヒットが無かったけれど、たまたまつけたらやっていたこの番組は凄かった。そういえば京大の人たちがドバイの石油王相手にビジネスプランコンテストなんてやってて、わぁわぁ言ってたのを横目で見ていたけれど。そこにはなんかもうサステナビリティとかいう言葉とはまったく無縁の世界が地球の裏側に存在していて、そこにバベルの塔と見紛うばかりの塔が建設されているというこのお話は、唖然を通り越してなんかもう笑えてしまうのである。

googleブログ検索をしていろいろな反応を見てみると、この番組をみてやたら盛り上がっている金融関係者にもひくし、自然に反しているとか憤っている環境主義者の過剰反応にもひく。どう反応してよいものやら。そういう自分は、NHKの番組作りのクオリティに反応してるんだと思う。NHKさんは、あぁ世界って・・・人って・・・っていうふうに、無常を感じさせるときにうまいと感じる。

NHKスペシャル|沸騰都市(全8回)
http://www.nhk.or.jp/special/onair/city.html

2007.08.09
NHK 映像詩 里山II・命めぐる水辺
2006.02.03
NHKスペシャル 同時3点ドキュメント 移民漂流10日間の記録
2002.12.25
NHKスペシャル 変革の世紀第三回「知は誰のものか」
| - | 01:03 | comments(0) | - |
標高2000メートル、午前4時32分


富士山に行った。登ってはないので、行ったというかんじ。
こころはここにあらず。肉体だけがやってきた感じ。







| - | 13:33 | comments(0) | - |
一番上等のものを見逃してしまうなんて
とにかく移動していると、どんなに凹んでいるときでも元気になる。生き甲斐を感じる。なぜだろう?ここ二週間の交通費はきっとすごいことになっている気がする。



今日の名古屋の空はとっても綺麗だった。二日間雨が降り続いてやっと現れた青空に、適度に雲がかかっていて、こりゃあ夕焼けにあわせて新幹線に乗らなきゃなあと思っていたら、窓側が満席、空いてる時間まで夕焼けは待ってはいてくれないわけで、そこで迷わずグリーン車を買ってみた。



夕焼けのためにバカじゃないのって思う人もいるかもしれないけれど、新緑の季節の岡崎あたりの水田に反射する夕焼けを見るための時間を買ったのです。あぁ、至福。満足。
| - | 00:07 | comments(4) | - |
筆舌尽くしがたい瞬間
青い空が夕日に溶けていく。どんな言葉を尽くしたなら、想い伝えられるのだろう。

米原駅を通るときいつもそわそわしてたまらなくなる瞬間がある。2007年8月14日、関ヶ原を抜けて東海道線から琵琶湖線に切り替わる米原駅を過ぎて琵琶湖の東岸が見えるか見えないかというときに琵琶湖線の中から見ていた夕焼けの空は、いままで見たことのあるどんな夕焼けよりも美しかった。そのときカメラをもっていたにもかかわらず写真を撮ることができないくらいその瞬間に釘付けになっていた、だからあの場所を通るたびにあの瞬間をいやがおうにもフラッシュバックする。ヴィジュアル的によかったというわけでも、特に秀でた景色というわけでもなかったけれど、バックパック旅行のような格好をして、早朝、新宿駅を出発してから7時間、琵琶湖に日が沈もうとしていたときの出来事。その瞬間、誰と一緒にいて、どんな空気を吸っていたかまで、あの駅を通る瞬間に鮮明に思い出す。
自分が自分自身に出会う。彼女が彼女自身に出会う。お互いが相手の中に自分自身を発見する。それが運命的な出会いというものだ。たとえ別れていても、相手が死んでしまっても、この人こそ自分の探し求めていた人だ、と強く感じとっている相手がいれば、それが運命的な出会いの対象といえる。

岡本太郎
| - | 10:51 | comments(0) | - |
real japan travels #01 day3「比叡山延暦寺」


3日目は雨。比叡山延暦寺は織田信長に焼き討ちされたことで有名なお寺。いつも京都の街から見えていて、でも始めて来た。そして、すごくいいタイミングにやってきた。そこはまさに長谷川等伯の描いた「松林図屏風」の世界。



延暦寺の中心、根本中堂にはいつの頃からか延々と現在まで灯され続けている火がある。その脇にはこんな言葉が掲げられていた。

国宝とは何物ぞ 宝とは道心なり
道心ある人を名づけて国宝となす

径寸十枚 是れ国宝に非ず
一隅を照らす 此れ国宝なり

伝教大師 最澄

つまりこの言葉の意味は、お金や財宝は国の宝ではなく、家庭や職場など、自分自身が置かれたその場所で、精一杯努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ、何物にも変えがたい貴い国の宝であるという意味らしい。



偶然がいくつか重なって、だいぶリッチなツアーになった。同じツアーはたぶん再現不可能、一瞬一瞬は二度と訪れないのだ。

2006.12.14
余白の意味を探る「松林図屏風」長谷川等伯
| real japan travels | 14:10 | comments(0) | - |
real japan travels #01 day2「NHK映像詩 里山II・命めぐる水辺」


近江の国、滋賀県高島市に今も残る水文化「かばた」を、去年の夏に見に行った。今回はその地域の民家に泊まって、かばたを体験するという企画。今回のツアーのメインディッシュだ。エコだとかロハスだとかいう言葉を使わないでsustainableっていうことを実感するにはとってもいい場所。




あのポエティックな映像の主人公、世界のミスター三五郎さんの船。



でも後ろを見てみると、映像の中に出てくるちょっととても日本には見えない葦原の風景の周りが別荘地として開発されていることにびっくり。やっぱり映像は映像として過剰に作り込まれているんだなあって納得する。



ケータイをかばたの中につっこんで何をしてるのかと思ったらこんな映像ができてた。名古屋から来た、くにくんの天才っぷりに一同驚愕。



それにしても濃いいメンバーが集まったもんだ。みんなそれぞれなにかに秀でてその分野ではスペシャリスト。だけどなにかとても大事なものが足りなかったりする。偏差値やIQでは計れない人たちの集団。

2007.08.09
日本の原風景シリーズ「命めぐる水辺」滋賀県高島市針江地区
| real japan travels | 12:01 | comments(0) | - |
real japan travels #01 day1「重森三玲 龍吟庵庭園」
最初はサステナの社員旅行的なノリで始まったこのツアー。海士とはメンバーも変わって、常に一緒に仕事をしつづけている仲間たちが京都に集結。第一回の大地の芸術祭・光の館に続き、第二回は京都・滋賀。スケジュールは行き当たりばったり、変更しまくりだったけれど、いつもの東福寺にある重森三玲の方丈八相庭園を見に行ったら、偶然にも年に数回しか見れない「龍吟庵」(りょうぎんあん)が公開していた。この庭の方丈(住職の住むところ)が国宝に指定されているため、普段は一般には公開されていない。



この庭は白砂と黒砂による雲間から、その字の通り龍が現れる場面をモチーフとしている。いくつかの寝かされた岩が龍の胴体になっており、建石が龍の頭になっている。奥に見える竹垣の模様は稲妻を表しており、竹垣が山を表している。間違いなく重森三玲の最高傑作。二年前の秋に一日違いで見逃して以来、やっと見れた。次の公開は11月の紅葉の季節の数日間だけ。



こちらは東庭、鞍馬の赤砂で作られたこの庭は、龍吟庵開祖の仏心大明国師が幼少の頃、熱病にかかって山中に捨てられた時、二頭の犬が国師の身を狼の襲撃から守ったという故事にもとづいて作られた。奥の岩が犬を表している。

昭和39年作庭。永遠のモダン、重森三玲にしばし打ちひしがれる。

2007.03.15
伝統文化の破壊 重森三玲のモダニズム

2008.03.24
重森三玲庭園美術館
| real japan travels | 00:07 | comments(0) | - |
糺の杜の新緑


東京を一週間前に出発して1000キロくらい移動して、いつもとは逆方向に京都に辿り着いた。ちょっとへんな感じ。



この季節の京都で行ってみたかったのが、下鴨神社の糺の杜の新緑だ。糺の杜は京都のグリッドの右上、鴨川が分岐しているところにある京都で唯一の原生林が残っている場所。この日は年に一度の流鏑馬神事の日でごった返していた。そしていつものようにおみくじをひいてみる。ここのおみくじは誰かの格言が書いてあって面白い。そしてよく当たる。

苦悩は流動への拍車である
そして活動の中にのみわれわれは我々の生命を感ずる
―カント―

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| - | 18:14 | comments(0) | - |